ミトコンドリアのプレ配列をもつタンパク質の内膜透過に必須の膜電位の役割を解明した論文が,Scientific Reports誌に掲載されました。名古屋大学で学位を取得した佐藤健大,当研究室の河野慎研究助教らによる研究成果です。

内膜の膜電位はマトリクス側が負,膜間部側が正なので,正に荷電したプレ配列をマトリクスへと引っ張ることで,後ろに続くドメインのアンフォールディングを引き起こすと言われていましたが,この説が誤っていることを証明しました。膜電位は,基質タンパク質のプレ配列が内膜からはずれないようにすることで,基質タンパク質のプレ配列にマトリクスのモータタンパク質Hsp70が結合しやすくすることを示しました。

http://dx.doi.org/10.1038/s41598-019-44152-z

2019年5月28日